2010年8月20日金曜日

その子の将来のために今できること

それいゆプリスクールでの実習2日目のレポートです。

実習2日目ということもあり、子どもたちが少し僕の存在を意識してくれたようで、子どもたちの方からの働きかけがいくつか見られました。

子どもたちは皆さんそれぞれにPECSなどのコミュニケーションシステムを持っています。ほとんどのお子さんがPECSのブックを携帯していて、フェーズ3〜4を使いこなしていました。カードでのやりとりがまだ難しいお子さんは、ミニチュアやおもちゃの一部などを使った実物を手渡しするという方法をとっていました。ここでの支援は本当に柔軟です。

このような実践を支えているのが「一貫性」と「継続性」です(スタッフ用のリマインダーとして壁に貼っていました!)。カードを自発的に相手に手渡すという行動を理解してもらうために、一貫してそれ以外の要求行動は基本的にスルーしていました。曖昧に対応していたら、お子さんは「今自分にとって必要な情報は何か?」に気づくことができなくなり、結局その子なりに「マイルール」を作ってしまうことになります。そのような「マイルール」が生活場面や対人関係でのズレや誤解を生み出すことになり、将来の生きにくさに繋がってしまうのだと考えられます。それいゆではその子の将来を見通して、できるだけ早い段階から望ましい、正しい行動するを教えようとされていました。そのためにも目標に向けて一貫した支援を継続していくことが大事なのだと教わりました。

「将来に向けて」ということに関して、プリスクールで特に力をいれているのが一人でできる余暇です。自閉症のお子さんが好きであろう余暇はいろいろ試すというお話でした。また将来、例えばちょっと待ち合い室で待たなければいけないときヘッドフォンで音楽を聞きながら待つことが出来れば、それだけでも生活場面でのストレスが減ると思われます。だからここでは、小さなときからヘッドフォンで音楽を楽しんだり、ビデオをみたりする経験をさせているということでした。

一人で過ごせる余暇がもてないと、本当に将来大変なことになります。常にだれかが側にいないと過ごせないということになり、ご本人にとっても周囲の人にとってもとてもしんどい状況になることが予想されます。なるべく早い段階から、将来困った状況にならないように具体的に望ましい余暇の過ごし方を教えているのでした。子ども達に無料はさせません。だけど5秒でも10秒でも将来役立つことを小さなときから経験させることをとても大事にされていました。

最後に理事長の江口さんがおっしゃってた「プリスクールには自閉症支援の全てがある」という言葉が本当に実感させられました。

0 件のコメント: