自閉症など発達障害のある子ども達の支援を考えたとき、家族へのサポートが不可欠であることは当然ですが、きょうだいへの支援も本当に重要だと思います。しかし、その重要性が分かっていながらなかなか本人達へ関わることで手一杯になり、きょうだい支援には全く手がつけられないのが現状でした(ようやく今年はきょうだいへのささやかな関わりが実現しそうですが)。
そうしたなか、ネットでたまたま繋がりができた方が「自閉症の兄とともに」という本を翻訳されたそうで、とても興味深かったのでここでご紹介します。
「自閉症の兄とともに」は自閉症の兄をもつ弟(漫画家)と妹(編集者)が書いたアメリカの本で、そのご家族の50年が描かれているそうです。
そこにはアメリカの自閉症支援の歴史も詰まっているそうで、日本よりはるかに進んでいると思われるアメリカでの支援の現場(施設での虐待もあるそうです)もよくわかるのではないかと思います。
訳者、新宅美樹さんの思いをご紹介すると
「自閉症の兄デイビットを中心とする家族の歴史を、編集者の妹と漫画家の弟が
1章ごとに文章とマンガで「カラシック家」をつづったもの。
本の構成という点からも、なかなかユニークですが、これにはしっかり意味があります。
そのあたりは著者の日本語訳へのメッセージに書かれています。
思い返せば2年前、友人の子どもが高機能自閉症と診断されました。
何か友人の役に立ちたいと思い始めた頃、アメリカのテレビ番組をを通じてこの本のことを知り、
すぐに原書を取り寄せ、読み始めました。
その後、この本が日本語に翻訳されていないことを知ります。
きょうだい支援などのホームページでも紹介されているのに、翻訳されていないなんて・・・
ぜひ日本語に訳して、日本の同じような境遇の人たちに、
そしてご両親や医療・療育・福祉の関係者の方々に読んでもらいたいと思い
出版してくれる会社を探すところから始めました・・・」
ということで、その「自閉症の兄とともに」が6月1日に出版されます。当事者の書かれた本は増えてきましたが、きょうだいが書かれたというのはまだ少ないかなと思います。興味のある方はぜひお読みくださいね。
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